

空から、土地の記憶を記録する
名もなき日々の中に、確かにあった風景。
空から見下ろすと、
目には映らない時間の流れや、
その場所に刻まれた人々の営みが、ふと浮かび上がってくる。
ここは、誰かが暮らし、働き、
見つめ、祈ってきた場所。
風景には、言葉にならない感情や願いが、静かに折り重なっている。
初めて訪れるはずの遠い地で、
どうしようもない懐かしさを感じることがある。
いつか吸い込んだことのあるような空気に、包まれることがある。
形のない記憶と記憶が、呼応する。
記録するのは、ただ“残す”ためではない。
目の前の景色に心を動かされた、その瞬間の感覚を、
未来の自分に、あるいはまだ見ぬ誰かに、贈るために。
いまこの瞬間に在る、“すぐそばの風景”が、
きっと、誰かにとっての大切な記憶とつながっていると信じて。
